幸福感
そのうち油汗が流れ始める。 まずい。 もう限界だ。 時計を見る。 秒針がぜんぜn進んでいないように見える。 「おかしいなあ。そろそろ 薬が効いてもええころなのに」 あれからかれこれ3時間。 効いてくるはずなのに・・・。 ぜんぜん変わらない。 お腹も痛いし 鼻も詰まっている。 「ぐるじーー ぶんだりげっだりどばごのごとだばー。」 と、心の中で濁音でつぶやいてみる。 我ながら情けなくなる。 「いいですか。XはXどうしYはYどうし 固めるのですよ。」 「Xの2乗」と「X」は、べつものです。 くっつくことはありません。 係数とは、文字にくっついている数字のことです。同じ文字どうしの係数だけが 足したり引いたりできるのです。 ほとんど 無意識にしゃべっていたような・・・・。 そんな感じでどうにかこうにか 本日のスケジュールを無事切り上げた。 授業が終わってからしばらくして ようやく薬が効いてきた。 腹痛から解放され 両鼻がスムーズに通ったあの瞬間の あああなんという幸福感!! つかの間だったけど。 しあわせだった。 誰にもわからない私だけの しあわせ。うーーんよいものだ。しみじみ。 「私ね今とってもしあわせなの だってだって 両方の鼻の穴が見事に開通しているのですもの ぶらぼーーららら♪」 もっとも、こんな気持ちになれるのは この時期だけだ。 これを私は、 「花粉時期期間限定幸福感」 と呼んでいる。